落合先生より
落合先生からは「生徒と語り合う道徳の授業研究と実践」ということでお話がありました。上溝南中は、昨年度、関東ブロック中学校道徳教育研究大会で発表することを機会に学校全体で研究を進めてきた。「わからない子が主人公になれる上溝南中」ということをスローガンにかかげた。特に研究のねらいとしては「学びの共同体を基盤とした道徳の授業研究」として、生徒の意見や考えを大事にして、それらを「聴き」「つなぎ」「もどす」ことを意識した授業を積み上げてきた。
具体的な取り組みとしては、校外的な「公開授業」、校内の研究研修を兼ねた「ライブ研修」、それに伴う「焦点授業」、「ローテ-ション授業」「道徳研修会」「有志による学習会」などを行ってきた。
この研究を続けてきた成果としては、子どもたちについては、聴きあう関係を構築することで、楽しさを実感したこと、教師としては、道徳の授業に対する共通理解、連帯感が生まれたことが挙げられる。課題としては、具体的な発問の設定研究を今後も続けていきたいことと、今後は、「きらめき」以外にも幅広い教材に対してのスキルアップを行っていきたい
質疑
◇県版資料「きらめき」は,今後どのような扱いになっていくのか。→長年、研究されてきた素晴 らしい資料・教材なので、今後も副読本・副教材として扱っていきたい。
◇「いじめ」への対応としての「道徳」をどう考えるのか。→道徳でいろいろな心を育てることで
結果としていじめがなくなることはあるかもしれないが、授業をすることですぐになくなるとい
うものではないと考えられる。
◇評価については、どう考えているのか。
<相模原>・・・「要録」には、一年間の記録をもとに大き なとらえで記載。「通知表」は、一年
に一度、記録を積み重ねたもの(ストック
ノートなど)をもとに少し具体的に記載。
<横浜> ・・・評価とは、先生が判断するものではない。 子どもが授業の中で、内容項目をどう
受け止めたか、友達との話し合いをどう受
け止めたか、を見取るものである。
道徳性に関わる成長の様子を長いスパンで見取るものである。その上で、要録
には全体的なこと、通知表には具体的で、子どもにわかる表現で書いて行く。
「通知表」は、授業後の振り返りや、学期毎の振り返り、毎時間の座席表への
教師の記載などの積み重ねの資料をストックしておき、一年間を通して変わっ
たことや子どもが気づいたことなどを書く。
<川崎> ・・・道徳性の評価にならないように、道徳性に関わる子どもの姿・成長を知らせる
ようにしたい。例文などで安易に流れないようにしたい。
そして、終わりの言葉を兼ねて、支部長の田沼先生からは、個の内面にある道徳性と、表現する外に出る道徳に対する態度や言葉などを総合して見ていく中で、外してはならないことは、「子ども自身の納得が必要なこと」である。それには、子ども自身のパフォーマンスがないと見とれない。具体的な動きがない中で、教師が心中を慮って評価するようなことはできない。
日本道徳教育学会 神奈川支部
第16回 神奈川支部学習会
2017.12.2
於 國學院大學 たまプラーザキャンパス