富岡先生からは、次のようなお話がありました。
道徳の教科化が話題になっている中、道徳の時間における具体的な評価を示し、実践を通して検証する
ことで、今後の評価の一助とした。道徳の時間の評価では、①ねらいを明確にし、そのねらいに対して子ど
もたちが学ぶものは何かを具体化することで、②その時間で学んだことを子どもたち自身が自覚するため
(メタ認知)に自己評価を取り入れることを留意する必要があると考えた。
具体的な評価方法として、①チェックリストによる評価方法(教師がチェックする、生徒が自己評価し、チェ
ックするという両方)、②パフォーマンス評価法、③面接による評価、④ポートフォリオ評価法、を示した。
検証する中で、次のことを考察した。
・評価は、道徳的成長を促進させなければならない。さらに自己評価を取り入れることで、メタ認知力を高め
ることも念頭に置きたい。
・発言、記述文、面接法を相互補完的に組み合わせることが道徳の時間の評価では必要かつ重要であると
思われる。
・ある程度のスパンの中で評価することも必要である。ポートフォリオ評価により、自分の道徳的成長を見
取らせたい。
質疑では、次のようなことが話題になりました。
・道徳の時間のねらいに向けて子どもはどうなのか評価することはあっても、道徳性の評価は難しい。子ど
もの人間性を否定しかねない。→今回は1時間のねらいに従い、どう評価するかを考えた。行動ならびに
道徳性の評価は、長いスパンの中で考えていく必要がある。また、面接法(個人的に話す)が重要になっ
てくる。
・認知と行動は必ずしも一致しないので、道徳の授業をしたからといって即実行が伴うことはない。しかし、
道徳の学習を見つめ直していくのは大事。道徳の評価は心情論的に語られることが多い。しかし、目標分
析が必要で、その目標に合わせた子どもの見取りが重要である。プログラム的・単元的に評価を考えてい
くことが大切だろう。