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日本道徳教育学会 神奈川支部
第23回 神奈川支部学習会
2019.9.7
於 國學院大學 たまプラーザキャンパス

           「 ねらいの設定と教材とのかかわり 
                   中村 正宏 先生<川崎市立百合丘小学校教諭>

 
令和元年97日に川崎市立百合丘小学校の中村正宏先生を
お招きして、第23回神奈川支部学習会を開催しました。「ねらい
の設定と教材とのかかわり」をテーマに、川崎市の「キャリア在り
方生き方教育」「人権尊重教育」と道徳科を関連付けた授業実践
をご提案いただきました。以下、提案の概要をご紹介致します。

 「ねらいの設定と教材とのかかわり」を実現するために、発問と
教育課程における工夫を行った。

【1単位時間での発問の工夫】
 道徳科の授業では3つの「出会い」を大切にしている。「教材と
の出会い」、「友達との出会い」、「自分との出会い」である。これらとの「出会い」を演出するために教師が以下のような発問を行った。

     問題意識をもたせる発問
例:「親切やお節介って善い事? 善くない事? この詩についてどう思いますか?」

     教材と自分をつなぐ発問
例:「夏実の『ありがとう』について、それぞれ5段階で表すと、どうなりますか?」

     多様な感じ方や考え方に接する発問
例:「『相田みつを』の詩や教材文、自分達の経験をもとに、学習課題『親切、思いやり』について話し合おう」

       自己の生き方についての考えを深める発問
例:「課題である『親切、思いやり』について、これまでの自分を振り返り、自分の良さや成長、これからの目標を見つけましょう」

 【複数時間を通した教育課程の工夫】
 学校教育目標を具体化した「児童の姿」を基に、複数時間の授業を関連させ指導の工夫を行った。そのことで多様な感じ方や考え方に接することができ、児童の道徳性の育成につながると考えた。例えば、「明るい子」という「児童の姿」を実現するために、国語科単元の「本は友達」と、道徳科の教材「本当の思いやり」「泣いた赤おに」「つまらなかった」を関連づけ指導を行った。




 各授業において川崎市の「キャリア在り方生き方教育」の視点を位置付けた。道徳科の授業では「人との関わりについて考えることで、より善い生き方を見つけていこう」「自分とは異なる考えを想像したり、立場を認め合ったりする力をつけていこう」と児童に投げかけていった。

 中村先生から具体的な実践提案をいただいたおかげで、その後の協議でも活発な意見交流が行われました。



次回の学習会は、11月30日(土)に行われます。
ぜひお越しください。
    

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