第25回神奈川支部学習会は、令和2年2月29日、東京都板橋区立上板橋第四小学校教諭で、現在東京学芸大学教職大学院に在学している、曽根原和明先生をお招きして行われました。

 以下、主な提案をご紹介いたします。

・小学校第6学年の道徳科授業にて「子どもの哲学」の実践を行った。
・「子どもの哲学」の実践を2単位時間1サイクルで構想した。

【第1時の主な学習活動】
①話合いのコツの確認
「聴くこと」「質問すること」の重視
② 教材との出会い
例:「こまったプレゼント」(NHK for School「ココロ部」)
③ クラスの問いの設定
例:自分の気持ちと相手の気持ち どちらも大切にするためには?

【問いの条件】
・友達の考えを聴いてみたいこと
・みんなと真剣に話し合いたいこと
④ クラスの問いに対する話合い前の考えの記述

【第2時の主な学習活動】
①話合いのコツの確認
「聴くこと」「質問すること」の重視
② クラスの問いを探求し、自己の生き方についての考えを深める話合い
③ クラスの問いに対する話合い後の考えの記述
実践後に抽出児童にインタビューを行い、自己の生き方についての考えを深めるポイントを見出した。

【自己の生き方についての考えを深める5つのポイント】
①多様な考えとの出会いの場を設定する。
多様な考えは、自己の考えを見つめ直すきっかけとなる。そのため、安易なグループ活動の設
定により、貴重な出会いが限定されないよう注意が必要である。
②聞き手の積極的な反応が生じる雰囲気を醸成する。
自分の発言に対し、他者からの共感による頷き、質問、反論などの反応が見られると、安心して発言することができる。
③問いに向かう協同探求者という関係性の構築を目指す。
共通の問いに向かい、他者の考えを頼りにしながら探求し合う関係性により、②の「聞き手の積極的な反応」が見られる。
④自他の考えの比較によって生じるものへの注目が必要である。
自分と他者の考えを比較した際に、新たな視点や疑問が生じると自己の生き方についての考えに変化が生じる可能性がある。一方、比較により安心感が生じると、考えを見つめ直す必然性が弱まり、変化が生じなかった。

⑤他者と正対し応答する態度
新たな視点や疑問を獲得するためには、自己の考えの変化に対する柔軟性や、他者の考えの受け入れ度合いの高さが必要である。

 様々な事情で、外出が難しい中でしたが、少ない人数でも充実した研修になりました。

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日本道徳教育学会 神奈川支部
第25回 神奈川支部学習会
2020.2.29
於 國學院大學 たまプラーザキャンパス

       「 自己の生き方についての考えを深める道徳科授業 

    
曽根原 和明  先生 <東京都板橋区立上板橋第四小学校教諭・東京学芸大学教職大学院在学中>